• 労務
  • Vol.32

「東京都カスタマーハラスメント防止条例」の対応上のポイント

【令和7年4月1日施行】

「東京都カスタマーハラスメント防止条例」が、令和7年4月1日から施行されます。消費者や顧客が、店舗や企業に対して暴行や理不尽な要求などの迷惑行為を指すカスタマーハラスメント(カスハラ)。カスハラ防止を目的とした条例の制定は全国初であり、同様の動きは他の地方公共団体にも波及する可能性があることから、非常に高い注目を集めています。

関連法人:NTS総合社会保険労務士法人 NTS丸の内社会保険労務士法人

東京都カスタマーハラスメント防止条例(概要)

① 基本理念

社会全体でカスタマーハラスメントの防止を図るとともに、その防止に当たっては、顧客等と就業者とが対等の立場において相互に尊重することを旨としなければならない。

② 禁止規定

何人も、あらゆる場において、カスタマーハラスメントを行ってはならない。

③ 各主体の責務

  • 都:カスタマーハラスメントの防止に関する情報の提供等
  • 顧客等:カスタマーハラスメントへの関心と理解を深め、就業者に対する言動に必要な注意を払うよう努める。
  • 就業者:カスタマーハラスメントへの関心と理解を深め、カスタマーハラスメントの防止に資する行動をとるよう努める。
  • 事業者:カスタマーハラスメントを受けた就業者の安全を確保し、行為を行った顧客等に対し中止の申入れ等の措置を講ずるよう努める。

④ 指針の作成

都は、カスタマーハラスメントの防止に関する指針(※1)を作成・公表する

⑤ 事業者による措置等

事業者は、指針に基づき、カスタマーハラスメント防止のための手引の作成等に努める。

  • 「カスタマーハラスメントの内容」、「顧客等、就業者及び事業者の責務」、「都の施策」、「事業者の取組」等

企業の対応ポイント

「東京都カスタマーハラスメント防止条例」は主に努力義務規定で構成されており、企業に対して具体的な罰則を科すものではありません。しかし従業員を守り、安心して働くことができる職場環境づくりのために、カスハラ防止に向けた早急な対応が望まれます。
カスハラ対策は、場当たり的に対応をするのではなく、組織として、迅速かつ適切に対応できる体制やルールを整備することが必要です。厚生労働省が作成した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を参考に、自社の状況に合わせた対策を検討しましょう。

当事務所では、カスハラ対策の支援を行っております。お困りの事がございましたら、お気軽にご相談ください。

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