• 労務
  • Vol.29

労働条件明示ルールの変更について

「労働基準法施行規則」と「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」の改正に伴い、2024年4月1日より労働条件の明示事項等が変更されることとなりました。

関連法人:NTS総合社会保険労務士法人 NTS丸の内社会保険労務士法人

1. 就業場所・業務の変更の範囲

「雇い入れ直後」の就業場所・業務の内容に加え、将来の配置転換などによって変わり得る就業場所・業務の内容も明示が必要になります。

例:就業場所

(雇い入れ直後)本社
(変更の範囲)本社及びすべての支店

業務内容

(雇い入れ直後)経理業務
(変更の範囲)会社の定める業務

2. 更新上限の有無と内容

更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)がある場合には、その内容の明示が必要になります。また、最初の契約締結より後に更新上限を新設する場合や最初の契約締結の際に設けていた更新上限を短縮する場合は、あらかじめ労働者にその理由を説明しなければなりません。

例:契約期間は通算4年を上限とする
契約の更新回数は3回まで

3. 無期転換申込機会

「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨(無期転換申込機会)の明示が必要になります。初めて無期転換申込権が発生する有期労働契約が満了した後も無期転換せず有期労働契約を更新する場合は、更新の都度、上記の明示が必要になります。

4. 無期転換後の労働条件の明示

「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の労働条件の明示が必要になります。無期転換後の労働条件を決定するに当たっては、正社員等とのバランスを考慮した事項(業務の内容、責任の程度、異動の有無など)について説明するよう努めなければなりません。
厚生労働省のホームページでは、新たな労働条件明示ルールを盛り込んだ「モデル労働条件通知書」を公開しています。自社の労働条件通知書を整備する際に、ご参考になさってください。

労働契約の締結・更新のタイミングの労働条件明示事項が追加されます

明示のタイミング 新しく追加される明示事項
全ての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時 1.就業場所・業務の変更の範囲
有期労働契約の締結時と更新時 2.更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容
併せて、最初の労働契約の締結より後に更新上限を新設・短縮する場合は、
その理由を労働者にあらかじめ説明することが必要になります。
無期転換ルールに基づく無期転換申込権が発生する契約の更新時 3.無期転換申込機会
4.無期転換後の労働条件
併せて、無期転換後の労働条件を決定するに当たって、就業の実態に応じて、
正社員等とのバランスを考慮した事項について、有期契約労働者に説明する
よう努めなければならない事となります。
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  • 同一の使用者との間で、有期労働契約が通算5年を超えるときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換する制度です。
    出典:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
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