• 登記
  • Vol.29

戸籍の広域交付制度がスタートしました

関連法人:NTS総合司法書士法人

1. 相続登記義務化と戸籍収集

過去にもご案内いたしましたが、令和6年4月1日から相続登記が義務化されることとなりました。これにより、相続登記をされていない方が戸籍を収集する機会が多くなると思われます。というのも、相続登記をするにあたり、まずは法定相続人全員を確認する必要があるため、お亡くなりになった方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍を集める必要があるからです。これらの戸籍を収集することで、はじめて子供が何人いるかを把握することができ、法定相続人を証明することができます。

2. 従来の戸籍収集方法

戸籍は、本籍地の市町村役場で取得することができます。本籍が居住地と同一市町村にあれば良いのですが、居住地と異なる場合には、従来は、郵送等により戸籍を請求していました。本籍地が一か所ならば1回の請求で済みますが、転籍をされていたり、ご両親の本籍が別の場所にある場合には、複数の市町村へ請求する必要がありました。そのため、戸籍の収集には大変時間がかかりました。

3. 戸籍の広域交付制度

令和6年3月1日から、戸籍法の一部を改正する法律(令和元年法律第17号)が施行され、戸籍の広域交付が認められるようになりました。
これにより、今後は本籍地以外の市区町村の窓口でも、戸籍・除籍謄本を請求できるようになります。そのため、本籍地が遠くにある方でも、居住地や勤務先のそばにある市区町村窓口で戸籍を請求することができます。取得したい戸籍が全国各地にあっても、1か所の市区町村の窓口でまとめて請求できます。

ただし、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は広域交付制度で請求できないようです。さらに、一部事項証明書、個人事項証明書は広域交付制度では請求できないものとされています。
広域交付で戸籍を請求できるのは、本人、配偶者、直系卑属(子、孫等)、直系尊属(父母、祖父母等)と定められています。

4. まとめ

司法書士などの代理人が戸籍を収集する場合には、戸籍の広域交付制度を利用することができないため、今後は相続人ご自身で戸籍を収集された方が、円滑に手続きが進むかもしれません。「相続に必要なものすべて」と説明して広域交付制度を利用すれば、ほとんどの戸籍が収集できるので、当方としては、相続人が広域交付制度で取得することができない戸籍をフォローする役割になるのかと想像しております。

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