• 労務
  • Vol.27

「永年勤続表彰金」の社会保険上の取り扱いについて

長年にわたり勤務した従業員に「永年勤続表彰金」が支給されることがあります。この「永年勤続表彰金」については、社会保険上の報酬に含めるか否かで見解が分かれておりましたが、2023年6月27日に改正された「標準報酬月額の提示決定及び随時回転の事務取扱いに関する事例集」において、以下の用件を全て満たす場合、原則として「報酬等」に該当せず、社会保険の対象外とされることが明確化されました。

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  • 表彰の目的
    企業の福利厚生施策又は長期勤続の奨励策として実施するもの。なお、支給に併せてリフレッシュ休暇が付与されるような場合は、より福利厚生としての側面が強いと判断される。
  • 表彰の基準
    勤続年数のみを要件として一律に支給されるもの。
  • 支給の形態
    社会通念上いわゆるお祝い金の範囲を超えていないものであって、表彰の間隔が概ね5年以上のもの。

ただし、上記の要件をひとつでも満たさないことをもって、直ちに「報酬等」と判断するのではなく、当該永年勤続表彰金の性質について十分確認した上で、総合的に判断するとされています。

なお、労働保険上の取扱いについては、就業規則・労働協約等の定めの有無に関わらず、「永年勤続表彰金」は賃金ではなく恩恵的なものと解され、労働保険の対象外とされています。
労働保険料の算定基礎賃金に含めないように注意しましょう。

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