• 会計・税務
  • Vol.28

消費税インボイス制度に関する疑問点にお答えします!

今回は、インボイス制度の開始から数カ月が経過し、見えてきた疑問点・不明点について解説していきたいと思います。

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1. 買手側で請求書を修正してもOK

取引先から受領した適格請求書(インボイス)の記載事項に誤りがあった場合、原則として取引先から修正した適格請求書の再交付を受けなければなりません。しかし、受領した適格請求書に買手が自ら修正を加えたうえで売手に確認を受けることで、その書類は適格請求書であるのと同時に、修正した事項を明示した仕入明細書等にも該当することから、その書類の保存により仕入税額控除の適用を受けることが可能となります。

2. 売手負担の振込手数料の取扱い

売手(お金を受け取る側)が負担する振込手数料相当額に係る経理処理については、その振込手数料相当額を売上に係る対価の返還等として処理することが認められています。こうした振込手数料相当額については1万円未満であることを要件として、買手(支払う側)に対して適格返還請求書(返還インボイス)を交付する義務が免除されます。そのため、取引の相手方から適格返還請求書の交付を求められたとしても、交付義務はありません。

なお、売手が買手に対して売上に係る対価の返還等を行った場合の適用税率は、売上に係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等の適用税率に従うこととなります。そのため、軽減税率(8%)対象の売上に係る振込手数料相当額の売上値引きには、軽減税率(8%)が適用されます。

3. 領収書の宛名は従業員名でもOK

従業員が事業に必要なものとして購入した消耗品等の代金を会社が負担する場合には、それは会社が負担すべき費用を従業員から立替払いを受けたことになります。原則として、本来宛名の記載を求められない適格簡易請求書(簡易インボイス。レシート、領収書等)に従業員名が記載されている場合は、当該適格簡易請求書をそのまま受領し保存しても、仕入税額控除を行うことはできません。しかし、当該従業員が会社に所属していることが明らかとなる名簿や電磁的記録(電子データ)の保存が併せて行われているのであれば、宛名に従業員名が記載された適格簡易請求書と、当該従業員名簿等の保存をもって、会社は当該消耗品費に係る請求書等の保存要件を満たすことになり、仕入税額控除の適用を受けることが可能となります。

4. ETCの利用証明書は高速道路会社ごとに1回分のみの保存でOK

ETCクレジットカードの高速道路利用料金(ETC料金)に仕入税額控除を適用するには、原則として、適格簡易請求書としてその全てのETC利用に係る「利用証明書」を「ETC利用照会サービス」でダウンロードして取得・保存する必要があるとされていました。しかし、ETCの利用に係るクレジットカード会社の「クレジットカード利用明細書」の保存を条件に、「利用証明書」は利用した高速道路会社ごとに任意の1回分を取得し保存すれば、仕入税額控除が可能となります。

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