- 労務
- Vol.19
社会保険の適用拡大への備えについて
2022年10月以降、社会保険の対象範囲が段階的に広がる予定です。これまで対象外とされていたパート・アルバイトの方にとっては、将来の年金額の増額が見込まれるなどメリットが生じる反面、企業サイドから見れば“法定福利費の増加”という問題が発生することになります。具体的なスケジュール及び対象労働者の範囲など、社労士として、留意すべき点についてピックアップいたします。
関連法人:NTS総合社会保険労務士法人 NTS丸の内社会保険労務士法人
● 社会保険拡大の時期と対象となる企業
時期 | ~2022年9月 | 2022年10月~ | 2024年10月~ |
対象となる企業の従業員数 | 501人以上 | 101人以上 | 51人以上 |
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従業員数は現在の厚生年金被保険者の人数(A+B)となります
● 現在の厚生年金保険の適用対象者
A | フルタイム勤務の従業員数 |
B | パート/アルバイトを含み、週労働時間がフルタイムの3/4時間以上の従業員数 |
●新たな厚生年金保険の適用対象者の考え方
適用対象者は以下のすべてにチェックが入る、パート/アルバイトの方です。


● 社内準備のステップ
① | 加入対象者の把握 | □加入対象者をピックアップ □増加見込み保険料の把握 |
---|---|---|
② | 加入対象者への説明、 変更時期/労働時間の意向確認 |
●労働条件が対象範囲のボーダーライン上にある従業員への意向確認 □引き続き、配偶者の扶養範囲内での勤務を希望 □引き続き、国民健康保険/国民年金の加入を希望 □勤務量は変更せず、社会保険の加入を希望 □扶養から外れ、勤務量の増加を希望 ●変更時期:□次回契約更新より □法改正に伴い変更希望等 ●労働時間:□週30時間まで □週40時間まで □その他( ) |
③ | 保険手続きの準備 |
□雇用契約書(加入日、週労働時間、賃金月額のわかるもの) □マイナンバー □基礎年金番号のわかるもの □被扶養者の有無(住民票・収入確認書類等) |
社会保険の適用拡大についてまとめ
今回の制度改正は、企業サイドで考えれば「負担増」につながるものです。
ただし、「法改正で負担増となった」のではなく、制度改正を機に、勤務量を増加させることによって受給できる可能性のある各種助成金活用の提案などを行うことも、我々顧問社労士に求められる役割であろうと考えられます。
参考:
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