- 法律
- Vol.17
改正個人情報保護法の概要について
個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」といいます。)の改正に関する法律が昨年可決成立し、令和2年6月12日に公布されました。今回は、改正された個人情報保護法の概要をご説明します。
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1. 改正の理由
今回の改正は、平成27年改正個人情報保護法に設けられた「いわゆる3年ごと見直し」に関する規定に基づくものです。
個人情報に対する意識の高まり、技術革新を踏まえた保護と利活用のバランス、越境データの流通増大に伴う新たなリスクへの対応等の観点から、今回の改正が行われました。
2. 主な改正内容
(1)利用停止・消去等の個人の請求権の拡大
不正取得等の一部法違反の場合に加えて、個人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合にも、個人情報の利用停止・消去等の請求ができるようになります。
(2)保有個人データの開示方法の拡大
保有個人データの開示方法は現在、書面の交付が原則とされていますが、電磁的記録の提供を含め、本人が指示できるようになります。
(3)個人保有データの範囲の拡大
6か月以内に消去する短期保存データについても、個人保有データに含まれることになり、開示、利用停止等の対象となります。
(4)第三者に提供できる個人データの範囲の限定
オプトアウト規定(本人の反対がない限り、個人データの第三者提供に同意したものとみなす規定)により第三者に提供できる個人データの範囲が限定されます。①不正取得された個人データ、②オプトアウト規定により提供された個人データが対象外となります。
(5)事業者の守るべき責務
漏洩等が発生し、個人の権利利益を害するおそれがある場合に、個人情報保護委員会への報告及び本人への通知が義務化されます。
(6)仮名加工情報の創設
イノベーションを促進する観点から、氏名等を削除した「仮名加工情報」を創設し、内部分析に限定する等を条件に、開示・利用停止請求への対応等の義務を緩和します。
(7)その他
個人情報保護法違反の罰則の強化がされます(法定刑の引き上げ)。
3. 施行日
本改正の全面施行日は令和4年4月1日です。
上記(4)についての施行日は令和3年10月1日、(7)については、令和2年12月12日が施行日となっております。
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