• 登記
  • Vol.15

動産譲渡登記について

不動産について所有権移転登記を行うことはご存じの方も多いと思いますが、動産についても登記制度があることをご存じでしょうか。動産については、法務局(東京法務局中野出張所のみが管轄です)の登記ファイルに登記することで、民法178条の引き渡しがあったものとみなされます。

動産といっても、工場の機械や倉庫にかかえる保管商品など、金銭的価値が少なくないものがあるため、その価値に着目し、取引を促進させるとともに、権利移転としては不明確な動産での引渡しという行為を客観的にわかりやすく証明するために、動産譲渡登記制度が設けられました。

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1. 不動産登記との違い

動産譲渡登記は、不動産登記とは異なり、譲渡人は法人に限定されています。
また、不動産については登記の先後により優先順位が決まりますが、動産譲渡登記の場合、動産譲渡登記の先後ももちろんですが、動産が物理的に引き渡されている場合には、動産譲渡登記と引渡しの先後により優劣が決定されることになります。

さらに、動産譲渡登記は、不動産登記とは異なり、「動産が譲渡された」という事実を公示するだけのものであり、動産が実際に存在することや、動産が実際に売買により移転したこと(契約内容やその真正)を証明するものではありません。登記申請の添付書面に売買契約書などの実体的な証明文書が要求されないなど、あくまで引渡しがされたかを公示するための制度となっています。

2. 登記申請の手続について

動産登記の申請の際には、委任状などの添付書類のほかに、XML形式の申請データを提出する必要があります。紙媒体の登記申請書を持参する場合、申請データをCD-Rなどの電磁的記録媒体で一緒に提出するイメージです。動産譲渡登記で肝心なのがこの申請データであり、動産申請データ作成ツールを用いて、必要事項を入力します。

入力事項としては、当事者の情報のほかに、動産を特定するための情報が特に重要となります。動産を特定するための情報としては、①動産の品名、種類、製造番号、型番などの動産の内容を細かく記載して特定する場合と、②動産の保管場所を特定して「この保管場所にあるもの一式」というように場所を特定する方法があります。

どのような方法で特定するかは事案ごとに個別具体的に判断する必要があります。動産譲渡登記は特に専門的知識が求められる手続きですので、興味がございましたらいつでもお問い合わせください。

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