• 労務
  • Vol.8

年次有給休暇制度改正について

日本の有給取得率は50.0%(2017年)であり、働き方改革における目標数値は「2020年までに年休取得率70%」です。現状との差はまだまだあり、昨今のブラック企業の問題や名ばかり管理職などの問題と相俟って大変関心の高い改正となっています。今回は、年次有給休暇制度改正(平成31年4月1日施行)についてご説明します。

関連法人:NTS総合社会保険労務士法人

1. 改正の4つの要素

①対象 年休10日以上ある従業員 パートでも10日以上付与される方は対象
②日数 年休10日以上のうち5日分 中途入社の方が多い会社は管理が煩雑。
また、有給管理簿も保管義務となります
③期限 付与されてから1年以内
④措置 会社が時季を指定して与える
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2. 実際の運用

年次有給休暇制度改正の説明図解。

Ⓐ会社が従業員に取得したい時季についてヒアリングする。
ⒷⒶの内容に応じて、会社が時季を指定して有給休暇を付与する。
Ⓒ会社が指定した日で有給休暇が成立。

本来の有給休暇制度の主旨に鑑み、極力従業員が希望する日に取得させるよう努めなければなりませんが、実際の運用においては、「年次有給休暇の計画的付与」を有効に利用することが一つの方法として挙げられます。

「計画的付与」は各労働者の有休付与日数のうち5日を超える部分(5日分は自由に取得させなければならない)について、①対象労働者 ②対象となる有休日数 ③付与の方法 ④対象となる有休の無い従業員の扱い ⑤付与日の変更 について定めた「労使協定」を締結すれば、時季を定めて計画的に付与することができます。

付与の方法 運用
➊全体一斉付与 会社や事務所全体を一斉に休ませる 夏休みや年末年始休暇など大型連休で採用されています
➋部署ごとに付与 部課や事業所ごとに交替制で休ませる 会社自体は休めない場合や飛び石連休の合間などで採用されています
➌従業員個別に付与 従業員の個別の事情等を配慮して休ませる バースデー休暇や結婚記念日休暇などで採用されています
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❸での運用が理想的ではありますが、有給休暇の管理が必要となり、勤務時間などの管理も含めると事務作業が煩雑になるため、❶または❷での運用が現実的です。

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